富山大学附属病院 消化器・腫瘍・総合外科(第二外科)

医局員の声・女性医師・大学院
学生・研修医の皆さんへ

医局員の声

医局員の声・女性医師・大学院
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大学院生
沼田 佳久
NUMATA YOSHIHISA
1.なぜ第二外科に入局したか
私はもともと、医局外の他病院で消化器外科として後期研修を行っており、入局は卒後6年目でした。入局先を探すにあたり、藤井教授はじめ、医局員の先生方の話を聞いて入局を決めました。若いうちから執刀の機会が豊富にあり、また高度技能医をはじめとする高難度資格も多く取得していることからも、教育面で非常に魅力を感じ第二外科の門をたたきました。
2.現在どのような日々を送っているか
現在私は、大学院で基礎研究を行っております。大学院1年目は臨床にあたり、2年目以降は一旦臨床を離れ、本格的に基礎研究を行います。私は現在、薬物生理学教室の酒井教授のもと、膵癌細胞株を用いたマウスCTC細胞上のNaポンプの局在・機能の解析をテーマにして研究を行っております。第二外科は他教室(薬学部や工学部など)とも共同研究を複数行っており、幅広い研究を行うことができます。第二外科の基礎教室の強みは他教室とつながりがあることであり、複数いる大学院生の間で、互いの研究について意見交換し協力し合いながら、互いの得意分野の実験、手技など提供し合うことで、単科ではできない広い範囲の研究が行えます。大学院へ行くことの懸念点は、臨床から離れることですが、研究の合間には外勤もいただいており、他施設で手術など経験も積むことができ、臨床面、金銭面でもご配慮いただいて充実した環境で研究を行っております。
自治医科大学さいたま医療センターでの手術風景
自治医科大学さいたま医療センターでの手術風景
長森 正和
医員
長森 正和
NAGAMORI MASAKAZU
1.なぜ第二外科に入局したか
もともと学生の頃から外科医になりたいと考えていましたが、具体的にどの分野に進みたいかまで決まっていませんでした。しかし初期臨床研修のローテーションで第二外科を回った時に消化器の手術を勉強していく中で、膜構造を理解して手術を進めていく面白さを知り、消化器外科に興味が湧いてきました。第二外科はEarly Exposureをすすめており、若いうちから執刀の機会があったり、病棟管理も自分で考えておこなっていくという教育方針も魅力に感じ、入局を決めました。
2.現在どのような日々を送っているか
後期研修1年目は富山大学で、後期研修2年目は自治医科大学附属さいたま医療センターで研修させていただきました。富山大学第二外科では県外のハイボリュームセンターで研修ができることも魅力の一つです。後期研修3年目の現在は富山大学で研修を行っています。当科では病棟の管理などを当番制でおこなっており、第一当番の時は病棟管理や予約外受診の患者さんの対応などをおこなっています。手術は開腹手術だけでなく、腹腔鏡手術の執刀やロボット手術の助手などをさせていただいています。また当科は臨床だけではなく、若手の学会発表や論文執筆といった学術活動にも力を入れており、多くの学会で発表させていただいています。
自治医科大学さいたま医療センターでの手術風景
研修医の時に教授に指導していただいた
初めての学会発表
他施設研修中
東松 由羽子
TOHMATSU YUUKO
1.なぜ第二外科に入局したか
「絶対に悪いようにはしない。外科医としてのスタートを富山でやらないか。」
まだ入局を迷いながら手術見学に行った時に藤井教授から言われ、決心しました。
学生の頃から手術をする科に興味を持ち、実習で消化器外科の先生たち楽しそうだなあ、かっこいいなあ、手術したいなあと思って外科に決めました。県外出身女性である私は、出身の富山大学に入局するか、富山県内に残るか、地元に帰るか、いろいろな選択枝がありましたが、富山県内の市中病院で初期研修をしていた頃に、藤井教授が着任され、富山大学第二外科の勢いに身を任せてみようと思って入局しました。
2.現在どのような日々を送っているか
現在、医師6年目で、静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科レジデントとして勤務しています。肝胆膵外科のみならず、胃外科、大腸外科なども研修予定です。同時に、学位取得も希望したため大学院に進学しました。大学院授業をwebで受講しながら、学位のための臨床研究・論文作成を行う予定です。
同期と後輩と先輩とでスノボ行ったり
温泉行ったりよく遊んでもらってます!
医員
木村 七菜
KIMURA NANA
1.なぜ第二外科に入局したか
医者4年目の木村七菜と申します。消化器外科の中でも将来は肝胆膵外科をやれたらいいなと思って現在修行中です!
私はもともと消化器外科を目指していた訳ではなく、学生の時の志望科は、女だしそんなに体力も無いからなんとなく内科かなぁと思っていました。手を動かすのは好きだから循環器内科か消化器内科?でもどれも実習を回ってもなんだかしっくりこないな、でも専門を決めるのってみんな妥協するもんなのかな?と感じていました。
そんな中、学生実習の最後に消化器外科を回って、膵臓の手術に参加させてもらいました。そこで「なんて外科って面白いんだろう、こんな手術を自分でもやってみたい!私がやりたいのはこれだ!!」と思ったことを今でも覚えています。それまでにも他の外科系診療科の実習は参加していましたが、「やっぱり手術はずっと立っていて大変そう、先生達もしんどそうだな…こんなの疲れるし参加したくないな…」と思って見学していました。でも第二外科の先生達は、真剣に手術をしているけれど本当に楽しそうで雰囲気もとても良かったので、「あれ?手術って面白いんだ!」と目から鱗が落ちた瞬間でした。そのまま「私入局します!」と手術室で教授に宣言し、今に至ります。あれから5年経った今でも、手術は毎回自分の技術のステップアップを実感できて楽しいなと感じます。また、病気を自分の手で治して患者さんが元気に退院していくのを見る喜びはやはり何にも代え難く、消化器外科を選んで本当に良かったなと日々感じています。
2.現在どのような日々を送っているか
さて、ここを読んでいる皆さんは、楽しいと言っても外科って休めないんじゃないの?毎日夜まで仕事してキツいんじゃないの?と心配な方もいらっしゃると思います。手術は朝から晩までやり続けることは当科ではNGになっていて、交代しながら皆で手術を完遂するので体力に自信が無い女の子でも大丈夫です。私の同期は6人中5人が女性で、先輩にも女性が多いですが、男性よりもしんどそうだなと思うことは特にありません。平日や土日の休みもありますし、趣味や家庭を大事に出来る時間が性別に関係なく確保されています。
新時代の消化器外科のスタイルを是非一度見学にいらしてください!
医師4年目
伊藤 綾香
ITOH AYAKA
女性だからこそ出来ること
まず初めに。私は男性だからとか女性だからとか必ずしも分けなくても良いという考えです。しかし、女性の外科医が男性よりは少ない事実もあるので、少しでも一緒に働く仲間が増えたら嬉しいなと思っています。
女性だからという理由で外科医として困った経験はいままで特にありません。実際、重い手術台を設置するなどの力仕事は難しいですが、周りの男性医師や男性研修医にすぐ助けてもらえます。手術の手技の面では性別の差を感じたことはありませんし、手が小さかったことで狭い術野で細かい作業ができ便利にさえ思います。病棟では患者さんから男性医師には話しづらい本音を聞き出せたり、看護師さんからも声をかけやすいと言ってもらえたり、良い面が多いと個人的には思っています。
外科医とプライベートとの両立が不安という声もあるでしょう。私も漠然と不安に思ったこともあります。入局を決めた当時は全く想像していませんでしたが、私も結婚し出産し現在8か月の娘がいます。私の希望で、妊娠中も医局の先生方や同期の手を借りながら、手術の執刀から病棟当番まで通常の業務をさせてもらいました。お腹が大きくてもやれることはやらせてもらえるし、時には周りの人の手を借りやすい、そんな雰囲気が働きやすかったです。もうすぐ育休が終わり、臨床に復帰する予定です。まだまだこれからですが、働き方については臨機応変に相談していこうと言っていただいています。女性の外科医人生を長い目で考えてくれている職場だなと感じています。妊娠・出産、家事・育児と仕事との両立は女性だからこそ出来ることだと思っています(後半は男性にも!)。せっかくの医師人生、やりたいことを欲張っていきたいなと思う方、将来を真剣に考えている方、ぜひ一緒に働きましょう。
入局2年目
荒木 美聡
ARAKI MISATO
夫婦で2人3脚
私は入局時に乳腺・内分泌外科コースを選択し、乳腺・甲状腺診療を中心に経験を積んでいます。
乳腺・甲状腺診療は外来、手術、検診と業務が多岐にわたり、様々なことに挑戦、実践できるのが魅力の一つです。各症例について日々チームでカンファレンスを行い、協議しながら診療し、毎日が勉強の日々です。
夫も同じ医局の消化器外科医であり、お互いの業務について教え合ったり、相談し合ったりしています。共働きかつ互いに当直やオンコール業務があるため、どちらかが家を空けることもありますが、家事を分担しあって補い合うことで、仕事にも集中して取り組めています。休日はしっかりお休みできるので、家庭での時間を有意義に過ごすことができ、家庭が疎かになることもありません。
女性の場合、体調を崩すこともあるかと思いますが、そう言った際に気兼ねなく相談できる職場環境になっているので、不安なく働くことができています。また、女医が多い職場なので、女医特有の悩みや何気ないプライベートな話まで相談しやすい良い環境です。
大学院生
明石 尭久
AKASHI TAKAHISA
昨今、化学療法や放射線療法の発展とともに、治療選択肢が広がってきています。それに伴って、患者さん毎に治療選択肢を決定するオーダーメイド医療やテーラーメイド医療ということが言われています。
当科では、その選択肢を決定する因子として血中循環腫瘍細胞:Circulating tumor cells(CTC)というものに着目しています。CTCは原発巣から血液中に播種され循環している腫瘍細胞であり、一部は将来的な転移能を有するとされています。CTCは通常の血液検査と同様に、末梢血管から採取することが可能であり、比較的侵襲が少ない方法で採取可能です。ただし、現状ではCellsearchシステムやフローサイトメトリーという高価な機器が必要となり、どこでもいつでも検査できるというものではありません。そのため、比較的安価で簡便な方法で検出する手段を研究しています。
現在、富山大学工学部機械情報計測研究室と共同でAIを用いたCTC画像解析の実験を進めています。食道癌細胞株を用いた基礎実験は終了しており、現在は当科の臨床の先生方の協力も得ながら実際の患者さんの血液を用いて実験を進めています。食道癌で目途が立ち次第、別の臓器の癌でも同様のことを進めていく予定です。
食道癌
膵癌
大学院生
真鍋 高宏
MANABE TAKAHIRO
大学院では臨床から少し離れ、マウスを使った動物実験などのより基礎的な研究から、トランスレイショナルリサーチまで幅広く行います。当院、天然薬物開発ユニットや、薬物・生理学教室、工学部との共同研究など、領域横断的な研究も多くてがけていることも特長のひとつです。
大学院入学にあたって、院生生活の給与・待遇面などに不安を持たれている方もおられるかもしれませんが、医局からの経済面・環境面でのサポートも非常に充実しており、安心して研究生活を送ることができます。
藤井努教授着任以後、当院は国内でも有数の膵癌症例が集まる施設となり、膵癌に対する基礎的研究も、今後より一層推進していく必要があります。現在、膵癌の遺伝子解析を始めとして、検出が難しいとされる循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cells; CTC)の新規検出法の開発など様々な課題にチャレンジしています。
マウス胃壁癌細胞株移植手術
マウス胃壁癌細胞株移植手術
膵癌細胞株(MIAPaca2)a3NaK-ATPaseの免疫染色像
膵癌細胞株(MIAPaca2)a3NaK-ATPaseの免疫染色像
研究風景 細胞培養
研究風景 細胞培養